28
世界的発見
ムジナモ
東京都江戸川区小岩町
ヤナギの実を採集するために小岩村に向かったまきのさんは、用水池の周囲に茂るヤナギの木の実を採ろうとしたとき、ふと下を見ると水面に見慣れない水草が浮かんでいるのを発見した。
すぐ東大植物学教室に持っていくと、みな驚いた。矢田部教授が思い当たる書物から植物の学名を探し当て、「アルドロヴァンダ・ベシクローサ Aldrovanda vesiculosa」という世界的に有名な食虫植物であることがわかった。(進化論のチャールズ・ダーウィンが研究した植物でもある)
世界で限られた場所にしか生息していない珍しい植物で、ヨーロッパの一部・インドの一部・オーストラリアの一部のみでしか発見されていなかった。まきのさんの発見により、新たに日本が生息地として加わった。
「ムジナモ」という和名は、漢字で「貉(むじな)藻(も)」と書き、「むじな」とはタヌキのこと。タヌキのしっぽのような形で、水中でプランクトンを捕食する食虫植物の姿にちなんで、まきのさんが名付けた。